不眠歴30年、寝つきも寝起きもすっきりしなくて当たり前。そんな自分もアラフォーになり、眠りとの付き合い方がわかってきました。
薬は避けたく、家庭でできることを研究。試してよかった快眠方法はアロマ、ハーブ、音、寝具。
今回はメディカルハーブコーディネーターでもある筆者が「ハーブ」を掘り下げます。
ハーブティーは安眠の強い味方ですが、効果だけで選ぶと思わぬ落とし穴も。注意点を踏まえた選び方をお伝えします。
目次
なぜハーブティーで安眠に?

ハーブティーが安眠によい作用をもたらす理由はたくさんあります。代表的なものを挙げると…
- リラックス
- 身体を温める
- ノンカフェイン
- 入眠のリズムをつくる
- 自律神経を整える
- 胃腸の調子を整える
- 気持ちの切り替え
個人的に重要だと思うポイントは最後の3つ。自律神経・胃腸の調子・気持ちの切り替え。詳しくはこの後に。
ハーブティーの選び方
寝る前のハーブティーを選ぶポイントとしては…
- 味・香りが気に入るか
- 自分の悩みに合っているか
- 避けたい作用がないか
アロマの記事でもよく書くのが、好きと思えるかどうか。効果だけを追求すると、飲むのが楽しくなくなってしまいます。
ハーブティーのようにジワジワ効くものは継続がカギ、好みも大事にするとよいと思います。
味・香りが気に入るか

味・香りともに好みの問題なので、飲んでみるのが一番。
お店によっては茶葉の香りを確認できますが、茶葉と飲むときの香りは違います。試飲ができるお店であれば納得いくまで飲んでいいと思います。
ハーブティー初心者の方、ネットなどで試飲ができないときは、商品紹介やレビューに「飲みやすい」といった表現のあるものを選んだ上で、小口での注文をすると失敗が少ないです。
「独特な」「スパイシー」といった表現がある商品はストライクゾーンが狭めですが、相性がよければ大好きになれる可能性も。
少し詳しくなると、ブレンド構成を見て想像がつくようになります。「ローズヒップが入っているから酸味があるに違いない」といった感じです。
身体との相性が良いか
ハーブ=薬草には身体との相性があります。化粧品や食べ物に合う合わないがあるのと同じです。
うまくいけば1杯目から効果を実感できることも。1~2週間ほど続けて「明日も飲みたい」と思えたら相性がよい証です。
身体との相性を確かめたい方はある程度のサイズを買うのがおすすめです。
自分の悩みに合っているか
寝る前向きのハーブティーといっても、いろんなブレンドや種類があります。
さらに眠れない理由は人それぞれ、合うハーブも異なりますので、自分のお悩みに合ったものからチョイスするとよいと思います。
疲れているのに眠れない
疲れているのに眠れないのは「脳が興奮してしまっているとき」が多いです。
刺激が多い1日を過ごしたり、強いストレスにさらされるとアドレナリンが出続けてしまい(交感神経優位)、リラックスモード(副交感神経優位)に戻れなくなってしまいます。
この状態になると「眠りたいのに眠れない」ジレンマに陥り大変つらいです。自分もお勤め時代はこのパターンが多かったです。
こういった際には「植物性の精神安定剤」とも言われるパッションフラワーや「グッドナイトティー」の名をもつリンデンがおすすめです。
パッションフラワー

「植物性の精神安定剤」ともいわれ、精神的な緊張による不眠に適しています。
催眠・鎮静作用に加え、筋肉のコリを和らげる鎮痙作用もあるので、疲れや寒さで身体がこわばっているときにも有用です。お子さまから更年期の方まで幅広く飲用できるハーブ。
自分の場合、飲むとほわーんとして眠りにつきやすくなります。しかし単体で飲むと牧草のような草感がすごいです。パッションフラワーは他とのブレンドがおすすめ。
※「パッション」から情熱を想像しがちですが、受難を意味しています。「キリストの受難」に由来した名づけです。
リンデン

別名「グッドナイトティー」就寝前にとりたいハーブの代表。甘い香りがする茶葉は不安や神経の高ぶりをしずめて、緊張をやわらげます。
強くはありませんが、利尿作用もあるため就寝1時間ほど前にとることをおすすめします。汗を出す作用もあり、海外では風邪をひいたときによく飲まれています。
胃がすっきりせず寝付けない…
食べ過ぎや間食で胃がもたれていると眠りにつきにくく、睡眠の質も落ちることが判明。逆に、入眠時に胃が気持ち良いときは翌朝もすっきり。ここは盲点でした。
ではどんな胃の状態がベストかというと「消化が完全に終わっているけど空腹ではない」とき。
なかなか調整が難しいのですが、多少の食べ過ぎや、ちょっと遅い時間の夕食になった程度でしたらハーブティーで調整できます。
ミントやレモングラスといった、料理に使われるハーブが消化不良に薬効をしめします。自分はこれらのハーブを取り入れることで胃のもたつきから解放されました。
ペパーミント

健胃作用で有名なペパーミント。1万年以上もの間、薬草として利用されてきました。西欧では食後のお茶として親しまれています。胃がすーっと整い、膨満感などが抑えられます。
注意点としては、利尿作用があるので「ペパーミントティー」単体だと夜中にトイレに行きたくなる方多数。ブレンドされている茶葉がおすすめです。
レモングラス

トムヤムクンの香りづけに使われるハーブ。消化促進の他に抗菌・リフレッシュ・美肌作用もあり、胃の調子を整えつつ美容も兼ねることができます。
独特の芳香があり、精油は虫よけにも効果的。アジアの高級ホテルでよく焚かれている香りです。個人的に多用しているハーブです。
気持ちが切り替えられない
職場や学校での失敗や人間関係、日々いろんなことがあります。起きたことが頭から離れずイライラしたり、先が不安で落ち込んだり…誰しも経験があると思います。
そんなときにおすすめなのがレモンバームやジャーマンカモミール。優しい香りで心をゆっくりほぐします。
レモンバーム

心の緊張をほぐし、メンタルの疲れを癒したいときにぴったりのハーブ。レモンのような香りがすることからレモンバームと言われています。
「シロトネラール」という成分が含まれており、精神を落ち着けて前向きにする作用があります。パニックになりやすい方、イライラで眠れない方にもおすすめです。精神的な疲れから自分を取り戻したいときに。
リラックスブレンドにかなりの頻度で登場する人気のハーブです。
ジャーマンカモミール

大地のりんごとも呼ばれるハーブ。炎症を鎮める作用があり、ストレスによる胃の不調や婦人科系のトラブル、不眠に薬効を示します。
重すぎない風味で飲みやすく、いろんな不調を改善することから世界中で愛されています。精油もすごく良いのですが大変高価。
カモミールはハーブティーとしていただくのが費用対効果がよいと思います。
カモミールは牛乳との相性がよくミルクティーが好きな方にぴったり。牛乳に含まれる「トリプトファン」という安眠作用のある成分により、いっそうの快眠が期待できます。
避けたい作用がないか~
ハーブを選ぶときの注意点
意外と見落としがちな点。
寝る前に飲もうと思ったらカフェインが入っていた~なんてことが。ハーブティー=ノンカフェインとは限らず。
利尿作用がつよいハーブティーを寝る直前に飲むと夜中に起きてしまうことも。
注意した方がよいハーブを表にします。注意点はメリットにもなり得ます。
ハーブ名 | 注意点 | こんなときに |
---|---|---|
マテ | カフェインあり(1~2%) 強い利尿作用 | 朝 |
ネトル | 強い利尿作用 | 痛風、貧血 |
セントジョーンズワート | 医薬品との併用※ | PMS |
エキナセア | キク科アレルギー | 風邪 |
カモミール | キク科アレルギー | ストレス緩和 |
ダンディライオン | キク科アレルギー | 消化不良、授乳中 |
ペパーミント | 眠気をとばす | 集中、食後 |
ラズベリーリーフ | 子宮を収縮 | 妊娠後期、安産 |
※セントジョーンズワートは経口避妊薬などとの併用について厚生労働省から注意喚起がされています。詳細は厚生労働省の該当ページをご覧ください。
実際に飲んでよかったハーブティー3選
このように、ハーブの薬効や注意点はそれぞれです。
自分に合ったものをシングルで飲むのもよいと思いますが、味と効能を考えると断然ブレンドティー。
同じお湯の量でいろんな種類のハーブをいただく方がよりよい作用が期待できますし、ブレンドすることで風味や香りがよくなります。
実際に飲んでよかったものをランキングでご紹介。
3位:クリッパー「スノア&ピース」
オーガニックハーブを手軽に楽しめるクリッパーのベッドタイムティー。先ほど紹介したカモミール、レモンバームを含みます。
カモミールベースで、レモンバームやミントの爽やかな香りがします。フェンネルとローズヒップの酸味がアクセント、しっかり香りがほしい方向けのブレンドです。
「スノア&ピース」ブレンド構成
カモミール、レモンバーム、レモングラス、ラベンダー、フェンネルシード、ローズヒップ、スペアミント、香料
・手軽にはじめてみたい
・寝る前にゆっくりしたい
・ハーブティーの香りを楽しみたい
※ティーバッグとリーフ、両方あるのでご購入の際はお気をつけください
2位:エンハーブ ぐっすりおやすみしたい時に

国産ハーブティーブランドのエンハーブ。百貨店などに店舗があり試飲できるところが魅力。店員さん達も親切で、どんどんお試しをさせてもらえます。
「ぐっすりおやすみしたい時に」という商品にお世話になっていました。先ほど紹介したパッションフラワー、リンデン、ペパーミント、ジャーマンカモミール、レモンバームを含む6つのハーブのブレンドです。
カモミールの優しい香りがメイン。そこにペパーミントとレモンバームの爽やかさが加わり、ちょうどよいバランス。
リーフ(茶葉)とティーバッグどちらもあります。
・ペパーミントで胃をすっきり
・本格的な眠りブレンドを取り入れたい
・リーフ買いでお得にしたい
リーフ買いのいいところは「ネコポス」で送ってもらえるところ。店舗が遠い方は交通費より安いかも?
手軽に飲みたい方はティーバッグ。7包入りとたっぷり30包入りの2種。
1位:琉球ハーブティー「月」OYASUMI

沖縄産の無農薬ハーブを使用した国産ハーブティー、就寝リズムをつくるためのブレンドです。沖縄長生薬草本社という会社がつくっています。
これは本当にすごいです。自分の場合は飲むと吸い込まれるように眠くなります。試しにランチ後に飲んだら、眠くて仕事のパフォーマンスがさんざんなことに。よって寝る前だけと決めています。
しかも、薬と違って翌朝にぼーっとする感じが残らない。沖縄産のハーブティーってこんなにポテンシャルが高かったのか…と、ここで一旦ブレンド内容をご紹介。
ラベンダー、カモミールジャーマン、アキノワスレグサ(沖縄産)、ローズレッド、セントジョーンズワート、モリンガ(沖縄産)、パッションフラワー、レモングラス(沖縄産)
先ほど紹介したパッションフラワー、レモングラス、カモミールを含む世界のハーブ5種と、沖縄産の無農薬ハーブ3種のブレンド。沖縄産のハーブを簡単にご紹介。
アキノワスレグサ(クワンソウ)

アキノワスレグサは沖縄では「ネムリソウ」とも言われていて、入眠に適したハーブとして古くから知られています。
軸となる成分はオキシピナタニン。成分は完全には解明されていませんが、同志社女子大学での研究※により睡眠改善効果の可能性が示唆されています。
※睡眠調整物質オキシピナタニンの作用メカニズムの解明(2013年)より
モリンガ

ビタミン・カルシウム・鉄・アミノ酸をはじめ100種類以上の栄養素が含まれるスーパーハーブ、モリンガ。
実は抗ストレス・リラックス作用があるGABAも含まれています。睡眠サプリによく使われる成分ですね。サプリではなく天然のハーブで取れるのはありがたい。
・とにかく眠れるようになりたい
・国産無農薬ハーブを取り入れたい
・朝までぐっすり眠りたい
【注意点】
琉球ハーブティー「月」はセントジョーンズワートを配合しています。通院中の方および薬を服用中の方(特に経口避妊薬)は医師にご相談の上お召し上がりください。
琉球ハーブティーはどこで買える?
那覇空港や沖縄県南城市にあるメーカー直売店で販売されています。
県外での小売や楽天・アマゾンでの取扱はほとんどなく、優良製品が認知されておらずでもったいない。
せっかく沖縄に住んでいるので自分で広めようと思い、ネットショップを立ち上げました。
実際に購入された方のレビューはこちらの商品ページに掲載されています。
【送料込】琉球ハーブティー月(10包)×3個
オンラインショップのトップページはこちらから。
さいごに
この記事を最初にアップしたのは2018年のこと。新しい発見がある度に更新をし、自分の眠りもだんだんとグレードアップしてきました。
眠りを改善するのにハーブティーは大きく役立つと思います。しかしそれ以上に人間関係や仕事、生活環境が大きく影響していると感じています。
自分は家族の転勤について行くうちにフリーランスに転向(というとカッコいいですが、腰を据えて働けないだけ)。仕事が眠りに多大なる影響を及ぼしています。
仕事をしすぎると緊張やストレスでハーブティーにすがりつくような生活になり、いい塩梅のときは夜のティータイムを楽しみに働きます。そういったときは眠りも充実。
ハーブティーを飲むようになってから、夜ゆっくりと自分に向き合う時間ができました。
心のゆとりをお金で買うのはなかなか難しいのですが、1杯100円ほどで心の栄養もいただいています。そういった意味でも寝る前のハーブティーは大変おすすめです。
夜のゆったりとした時間で、人生の転機に気づくかもしれないですね。
心地よい眠りが訪れますように。