アロマを仕事に⑥ 実店舗でアロマクラフト販売をやってみたらこうだった!

引越し先で職業訓練→WEB関連会社でパートをはじめ、副業として「アロマの仕事」を育てることに。

アロマテラピーインストラクターの資格を活かすとすると…

スクール講師、セミナー講師、カルチャースクールの開講、クラフト物販、ボランティア活動などいろいろありますが、最初に機会が巡ってきたのは物販でした。

※前回の自宅セミナーはお仕事としてカウントせず



アロマの物販って?

簡単にいうと「香料をつかった雑貨・化粧品などの販売」。ここでいう「香料」には精油以外も含まれます。

販売が禁止されているもの

いわゆる「自作化粧品」の販売は法律で禁止されています。自分で使う化粧品の自作はOK。ネットなどで不特定多数に販売すると法律違反に。

販売に特に制約がないもの

一方「雑貨」としてのアロマ用品は自作品の販売OK。

雑貨としてのアロマ用品はアロマキャンドルやポプリ、ファブリックスプレーなど。minneやフリマアプリでもよく見かけますね。

どこで売る?

当初はminneで販売するつもりでしたが、たまたまアパレル店舗のオーナーさんと知り合いになり、店頭での取扱をしていただけるとのこと。有難いお話です。

何を売る?

オーナーさんは「ソイワックス」を使用したクラフトをご希望で、それに沿って制作をはじめました。モノづくりが得意な方で制作にも多大なるご協力をいただきました。

実際に販売した製品(抜粋)

ボタニカルアロマワックスリング

草花が彩る天然素材のアロマリング。

ソイワックス、ミツロウ、精油、ドライポプリのみで仕上げています。クローゼットなど小さい空間の香りづけに。大きさはミニドーナツくらい。

コロンとした見た目と親しみやすい価格(1個入り:650円、2個入り:1200円)がよかったようで、納めた商品の中で一番人気。

…とここまでさらっと書きましたが、販売に向けての準備は大変です。

販売のために準備したこと

商品の制作はもちろんですが、細かい準備がモロモロと。

店頭販売に必要な「モノ」編

  • 商品案内(取説)
  • ショップシール
  • 包装関連
  • フライヤー、チラシ(必要な場合)

商品案内(取説)

店頭での販売には「販売元」と「製造元」の記載が必要。minneなどの個人作家とエンドユーザーの直取引の場合はなくても大丈夫。

  • 販売元には「ショップ名」と「住所」を記載
  • 製造元には法人名または屋号(どちらもなければ個人名)と住所を記載

自分の場合は「屋号」+「自宅住所」にしました。

作成方法:イラストレーターで自作し、名刺用カードに印刷

ショップシール・包装

ショップシールは画像の丸いシール。HPのロゴイメージに合わせて作成。なくてもよいですが、あると見栄えがよくなります。HPはこのブログとは別に作成。

カラー印刷はインク代がかさむのでクラフト地にスミ一色。

作成方法:イラストレーターで自作し、ラベルシールに印刷

包装関連はショップさんのご厚意で資材をご用意いただきました。非常に助かりました。

価格などの設定

必要なのは「モノ」だけではなく。製造元としてしなければならないことがあります。

  • 卸価格、小売価格の設定
  • 品番の決定(必要に応じて)
  • 納品書・請求書の作成

卸価格、小売価格、品番はオーナーさんと相談しながら。納品書・請求書は当然必要です。卸価格の目安は販売価格の5割~6割といったところ。

ホームページの作成

HPがなくても問題ありませんが、あるに越したことはなく。買い手も安心できると思います。

商品用の取説と店舗に置くフライヤーにURLを記載してしまったので、発売に間に合わせるしかありません。

イチからHPをつくるのは初めて。ぼっち作業で超苦労&発狂寸前になりながらナントカ間に合いました。直前は1日18時間くらい触っていました。

どのくらい売れた?

前述のボタニカルアロマリングは数ヶ月に1回ほどのペースで合計100個ちょっとを納品させてもらいました。

実店舗以外での販売をしておらず比較はできませんが、香りがある商品なのでminneで売るよりも反応がよかったと思っています。

店舗に卸すメリット

  • 実物を見てもらえる。香りをサンプルで確かめてもらえる
  • ハンドメインドで一点ずつ違うため、店頭で選ぶ方が楽しい
  • ショップの店員さんに商品説明をしてもらえる
  • 個人販売と違い、まとまった売上が発生
  • 商品の特性上、買切制で納品させてもらえた
    →納品の時点で売上が確定(実際に売れなくても納めた分が売上に)

店舗に卸すデメリット

  • 販売価格よりも安く卸す必要がある※販売金額の半分程度が売上となり、そこから材料費を引いた分が粗利

たとえば「minne」は販売金額から引かれるのは10%の手数料のみ(送料別の場合)。実店舗に卸すより中間マージンが少ない=手元に残る金額が大きくなります。

実際にやってみての感想

物販はフリマサイトに不用品を出品する程度で、はじめての経験でした。

実際やってみて気づいたことは…

  • 細かい作業がたくさんある
  • 売上増には取扱店の開拓が必要
  • 作業量の限界=売上の限界
  • 家にモノが増える
  • ワックスがつき掃除が大変

ほとんどが当然のことですが、やってみて初めてわかりました。

意外な誤算は家にモノが増えること。おっさんの会社は転勤者の家についてこまかーい規定があり、規定どおりの家は狭いんです。

当時の家は1SLDK。LDKの合算でやっとこ8畳。

1つ買ったら1つ処分派の自分にとって、わらわらとモノが増える生活は厳しいと感じました。

あと、ワックスが家のあちこちについてしまうこと。持家でアトリエ的な場所がある方はいいと思いますが、賃貸では気を遣いますし家具も汚れます。

意外な盲点

確定申告をする場合は「原材料の棚卸」が必要であると判明。

枝半分だけ残ったポプリやすこーし残っている精油、包装資材やシールに至るまで全て年末に数えなければいけません。

家が狭いからと処分するわけにもいかず、仕入れた分は保管して棚卸が原則。今後販売数が伸びたとすると、さらにモノが増えるのが目に見えています。

ハンドメインド市場はアクセサリー関連が盛り上がるのも頷けます。素材が場所をとらず腐らない、軽くて発送しやすい~などリスク小。

さいごに

なんだかデメリットを強調するようなまとめになってしまいましたが、ものすごく貴重な経験でした。

モノづくりが好きで好きで…置き場がなくても、家が汚れても作れるなら幸せ!棚卸なんて得意よ~という方にはすごくいいと思います。

転勤族で狭い賃貸暮らし、モノが増えるのが苦手な自分にはアロマクラフト販売は向いていなかったなと。

トライする機会を与えてもらい本当によかったです。やっていなかったら物販への期待を持ち続けていたと思います。

次回は素材の仕入先のお話です。(配信済)

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